2015-08

人も歩けば古墳に当たった

このあたりはAEON MALLが出来てから
プチバブルと言っていい地価の上昇がこの僅か数年で
起こっているのだが、いったいどんな土地があるんだろう、と
地元のとある不動産屋の情報を見ていたら昨年春見つけた
近い所にあったとある古家付き格安物件。
不動産屋のサイトの資料写真の中高木に覆われた
古家は、そのとんでもなさげな立地が
とりあえず見に行ってみたい気にさせた。

150828_7.jpg
昼なお暗い坂の上のガードレール沿いを右に更に上ったところにその物件はあった。(過去形)

行ってみるとやはりいろいろとんでもない場所で、
どうしてこの隅っこの、細い場所だけ分筆されて
持ち主が違うのだろう、というのがあったり、
公道から物件へ入る道の傾斜がきつく、物件の入り口は狭く
どこに車を停めたら…という
暮らす上での不便そうな事柄がいくつかあった。

樹木が繁り過ぎててあと10年内で樹木に押しつぶされそうな
傷みの激しい古家も迫力があったが、敷地内を見て回るどころか
門扉を入って数歩くらいまでしか怖くて入れなかった。
木の一本は折れていて、そこが焼けた様になっていた。
屋根の上には太めの枝が落ちて乗っていた。
ねえ雷でも落ちたんじゃないのここ高台だし…

敷地内はジャングルでスズメバチでも襲撃してきそうで
反対側の崖がどういう状態か確認するのも怖い程。
杉かヒノキかの大きな針葉樹が植えてあって門みたいに
なっている感じといい、昔は神社や何かの祠でもあった場所なんじゃないか?と思わせるものがあった。
そんなエネルギーをなんとなく感じ、不用意にかき分けて入る勇気がわかなかった。
隣接した土地も木が茂った場所だったがそんなこんなで
土地の形を確認することすらできなかった。
どっからドコ迄が該当敷地なのかわからずじまい。

丘の上のその物件は面白くはあったが、(きっとログハウスなんて似合うだろう)
駐車場を作ったり大木の伐採といった、家以外の部分でかなり
費用その他がかかるというのが予想され、不動産屋にも
やはりそれらの諸費用が相当かかるだろうという理由で
「あそこは個人の方が買うような物件ではないですよ」と
言われて終わった。
まーね。多分何か眺めを活かしたい施設とかを建てたい業者が
隣接する土地も含め買い取ってまとめて造成するのが
向いてるんだろう。

それから1年以上経った今月。
ポスティングされた市の広報誌の最新号に載っていた、
遺跡発掘中の記事に目が留まった。
それは東側から西の玄界灘を見る角度で撮られた、最近見つかった
古墳の写真だったのだが、ん?この場所、もしかして…
記事によるとF市Cの4丁目の丘陵とある。
ひょっとして…あの難易度の高いあの物件では?

なんとなーくこの写真が気になり、
出かけついでに見に行ってみた。
すると…
やはり、例の物件だったのだ! ビンゴー!
位置からして、昨年見た古家の奥、神社臭のしていた鬱蒼とした
あたりに古墳があったのだろう。

すっかり大木が伐採され土が平坦にむき出しになったそこは
市の看板が出され、発掘作業の人が4,5人いた。
日焼けしたおじさんに挨拶すると、「よければ見て行ったら」と
わざわざ責任者らしい人に声をかけてくれた。
こういう気さく&ユルさはこっちの良い所だ。
いえ、通りすがりのシロートなんですけど…お仕事中スミマセン
古墳の上(というか中というか)に上がる事も出来、
最後はタッパーの出土品をも見せてくれた。

150828_6.jpg
井戸があったのか…(左手前)そんなの草ボーボーで見えなかったわ。

この辺りは古墳の多い地域で、海の正倉院と言われる
つい最近世界遺産候補になった沖の島も近いので、
遺跡というのは珍しくないのだが、
今現在発掘中の古墳を見られるというのはとても面白い。
しかも専門家の説明つき。マンツーマン。ゼータク。

その方の話によると、1600年程前のおそらくは円墳。
でも掘ったら四角くなっていて、多分元々は円墳だったのが
後の時代に削られたのだろう、ということだった。
古墳を囲むように後の時代の植生という木がまとわりついていた。
木棺があったのではないかという。
木棺が置いてあったと思われる場所の下には玉砂利があったが
それも一緒に既に盗掘によりかなりバラバラに
荒らされてしまっていたようだ。ううむ、残念。

面白いのは古墳より新しい地層から化粧瓶等が出土したという。
その瓶には品名が残っており、実在のメーカーのものだと
分かった、芸妓さん達がお詣りに来ていた神社か何かが
あったのでは、という。
何故なら昔を知る人の話では、ここに神社があったらしい。
やっぱりかー。

昨年物件を見た後、植生と雰囲気で不動産屋に
「昔神社か祠とかそういうのがあった場所ですか」と
聞いたのだが、その不動産屋は知らなかったようだ。
芸妓となると…弁財天でも祀ってあったのかなー
出土品から推理ってすごい楽しい。
それも地味でガテンな発掘作業があってこそだが。
暑い中、丘の上の陽を遮るものが無い古墳を掘る作業
ほんとにお疲れさまです…

さらにさらに、この古墳には、古墳よりも前の弥生時代の地層に
「貯蔵穴」が複数あったことがわかったという。
「ほら、黒っぽくなってる土から下です。
ここが弥生時代の地層です」
?すみませんよくわかりません…なんでわかるんですか…
その貯蔵穴からは瓶とおぼしき土器が出て来たらしい。
「これがその土器の破片です」
ううむ…専門家ってスゴイ。
ビニールに入れられた黒っぽい断面の破片は、陶土のせいか変色したのか赤っぽい色の表面はなんか乾いた粘土のようにモロそうに見えた。
自分だったらソレと気付かず発掘の時ツルハシで打ち砕きそうだ。

150828_3.jpg
手前富士山みたいな形に線で目印がつけられてるのがソレのうちの1つ。
黄色の矢印のあたりが弥生時代の地面で、そこを掘って貯蔵穴にしていたらしい
奥の赤い矢印部分に木棺があったと思われる

鉄製の矢じりも出て来た、とタッパーにしまわれたそれを
わざわざ出して見せてくれたのだが
なるほどそれらしき形をした赤錆色の物体が3個。
でもなんか膨れててガミラスの乗り物みたいな形。
鉄ってすぐ錆びてモロくなってしまうけどこんな海の近い
場所でよく残ってたよなー
地中に埋まってて空気に晒されてなかったからなんだろうけど…
「サビ膨れしていますが、こういう状態だと木部を
取り込んで残ることがあって…これは根元におそらく
木部を含んでますね」(写真左端のがソレ)
うーむ、専門家ってすごい。

150828_5.jpg
ちなみにこの矢じりの形から、実用ではなく祭祀用だったのではという話です
うーむ専門家って…

古墳の盗掘は鎌倉時代が多いとかで
中世には多くが盗掘されたのでそうでないもののほうが
珍しいらしいが、これも盗掘されていて
盗掘の跡も見せてもらった。
木棺を安置していたであろう四角い場所の右隣、
「丸くなってる方、これが盗掘の跡です」ソウデスカ。。。
なんとも人間の欲を見せつけられるが奪われた副葬品は
どんな物で、どこに行ってしまったのだろう。
かなり荒らされていたらしく、どんな人が埋葬されていたのか
なかなか推理できそうにないのが残念なところだ。
金銭的な価値もだが、そっちのほうが惜しい。

150828_4.jpg
古墳に上ってみた。赤い矢印に木棺があったらしい黒い矢印部分が盗掘の跡。

神社が昔あったことはわかったが、
実は古墳があったというのは、昭和20年代頃に
米軍が撮っていた写真でもわかっていたらしい。
それを聞くと、古墳を四角くえぐったのはいつなのか
前に建っていたあの古家の住人は古墳の存在を知っていたのか
いろいろ気になる。

この自治会周辺では一番標高のある場所で、
玄界灘や遠くの山、西郷川も見渡せる絶好のロケーション。
そんな一等地に埋葬された人ならばそれなりの地位にあった
人物なんじゃないかと思ってしまうのだが
盗掘でそれは決定的な証拠が出るかどうか
なかなか難しそうだ。
聞けばもうすぐ調査は終わるらしい。え〜…

造成するためにどこかの業者が買ったらしいが…
宅地用地ならもっと他にもあるイナカなんだから
こういうの、潰して家にするって何だか
ちょっとモッタイナイ気がするんですが…
全国にこんな例はゴマンとあるんだろうし
そんな事言ってられないのは理解できるけど
神社にもなってた場所に家ってなんとなく…
キトラ古墳級の何かどえらい遺物が盗掘をまぬがれて
出土してくれないかな〜と密かに期待するのでありました。

しかし、あの物件、万が一買ってたら…
不動産は縁とはいいますが。

スポンサーサイト

暑い中の薫製チーズ作り

まだ梅雨が明けないがそろそろ明けるんじゃ気象庁、と
皆が痺れを切らしだした7月19日の日曜日。
家人がいきなり「スモークチーズ作ろう」と言い出した。

は?このあっつい中?
いや夏スモークチーズ作った事もあるけど
その時は庭先でだから。
わざわざチーズをこのくそ暑い中
どっかに持って行って…という気になれない。
それに天気予報は「雷雨が来るかもヨ」になっている。
湿気もあるいやーな暑さ、いつポツポツ…ドザーと降り出しても
おかしくない。
今日はやめたほうがいいんじゃない?と言うのだが
夕方になって、もう予報の傘マークも付かない時間
じゃあやりますか、ということになり。

材料と道具一式を車に乗せて前回と同じ、近所の海に。

18時近く、そろそろ涼しげな風が…と言いたい所だが
そんなに風は吹いてない。
暑いが、薫製を作るには風は無いほうが箱の中に
煙が溜るから好都合ではある。
前回寒い季節にやった時は海風が強くて(冬の日本海側)
色付きが薄めだったのだ。

冬場は空いていた場所も今の季節は
海遊び帰りの子供が水着でシャワーを浴びてたり
釣りの人がいたり、福間海岸名物の夕陽目当ての
カップルがやってきたりとそれなりに人がいた。
それでも湘南の1/1000位の空き具合だと思う
湘南行った事ないけど。
150719_182.jpg

毎度薫製の時は使うスモークウッドの量で
家人と「それは多い」「いや少ない」と言い合う。
不必要に多く使いたがるのはやはり
「男の料理」ってやつなんだろうか
安い物じゃないんだしさーブーブー
肉塊ならともかくチーズ薫製なら
ウッドの半分あれば全然充分、
私なら時間短縮してウッドも1/3にする所だけど。
たまのことだからいつも譲ってあげてるけど
いつもウッド余らしてるの忘れてないか。

150719_1823~
なんとなく怪しいグレーの雲が立ちこめて海面の陰影が平板になってきた

18時点火だから出来上がりは19時半、
夏の宵の海はまだ青緑だったがだんだん暗い色になっていく。
そんな中、雲の変化があらわれた。
明らかにアヤシく光る入道雲が雲の隙間から見え始め、
ゴロゴロという音がはじまった。

150719_1826.jpg
件の入道雲が真ん中にのぞく。|ω・)チラッ
そのうちその入道雲の下には横長の暗い灰色の雲が
生じ、それがすごい勢いで水平線に平行して成長していく。
その雲から、海面に向かって稲光が落ちる。
海で遮るものが無いとこんなにもよく見えるものか、
「雷雨に至る雲の成長の過程」が丸分かりで
見てる分には楽しい。雨宿りできる場所を確保してたらの話。

雷雨が来る時は涼しい風が急に吹き出すから、
そうなったら場所移ろうと思ってたら
暗くなって風が強くなったので
すぐに荷物とスモークマシンという名の段ボールを
東屋に移動させた。
釣り客やウォーキングの人は帰り支度。

遮るものが無い海の側だから、風はいきなり
強く吹き付はじめる。
東屋確保したはいいけど、こんだけ風があると
雨が降り出したらびしょ濡れかもねーと思ったが
幸いにも雨はほんの2、3分気のせい?という位
少量ぱらついたくらいで、どうも雲を見る限り西寄りの
海の方に降ったようだ。

150719_1924.jpg

そのうち雲間が明るくなり、
夕陽でピンク色に空が染まって来た。
よかったねーと言ってる間になんだかんだ
予定時間になり、開けて見るといい感じに
色付いている。
気の変わった雲がまたもくもくしないうちに、と
道具をしまってさっさと撤収。

150719_1942.jpg
段ボールのフタ開けた所。

暑い一日だったが、雷雨発生のスペクタクルも
楽しめたし、それなりに涼しくなったので
この時間帯に薫製作りは正解だったのかもしれない。

150719_202.jpg

薫製チーズも上々の仕上がり、
今回は小さい形のも試したがちょっとつまむには
このくらいのサイズも使い易くかわいい。
しばらく室内で置いたあとキッチンペーパーと
ホイルに包んで冷蔵庫へ。
150719_20.jpg

早速朝ご飯や晩のおつまみに。
冬場作ったチーズはちびちび半年かけて楽しんだが
今回はどのくらいもつだろうか。
150801.jpg

新米?夏はこれからだ!


地元産の野菜や魚が豊富なココでは
店に並ぶ産物で季節の移り変わりがとても分かり易く、
その中でも2週間程度しか出回らないものもあったりで
そうなると見かけたら機を逃さず、とつい買ってしまうのだが
このレモングラスも7月中旬に一度買って以来もう見ない。
元々暑い所のものなんだし、これからも出回らないかなー
と期待してるんだが。

150719_10.jpg
見た目イネというかカヤというかススキというか…カサッとしてます

売り場の案内によるとこれをキッチン鋏で適当な長さにカットしてポットに入れ
熱湯を注ぐとレモングラスティーの出来上がり、らしい。
袋から出すとほんとにカヤのように葉の両側が片側に向かって
ザラザラしていて、うっかり反対側になでると手を切りそうだ。
子供の頃遊んでいて気付けば出来てた切り傷はたいていカヤの仕業だった。
そういえば我が家にはスリランカのバームがあるのだが
そこに海外製品にありがちな不思議書体の日本語表示に
「香水ガヤ」と原材料にあるのを思い出した。
そう、レモングラスは香水ガヤのことで、カヤみたいだなあ
と思ったのは当然といえば当然だったのだ。

ちょっとさわっただけで指がいいにおいになるレモングラスに
熱湯を注ぐとこれまたレモンの皮のような、かなり濃厚な
香りがフタを閉めたティーポットからも漏れて来る。
3分ちょっと待って淹れてみると、薄いレモンイエローの
お茶が入った。

150719_105.jpg

そしてこれが、うだるように暑い夏にぴったりで
暑い南国で食事に使われるのも納得の美味しさだった。
3本くらいを切ってみたが熱湯であれば2人分のポットに
2回分は充分いい香りが出る。

消化を助けるとか貧血にいいとかそういう効果もあるらしいが
なによりこの爽快感ある香りだけでも楽しむ価値がある。
タイカレーにも試そう、濃いめに淹れて冷して甘味足したのも試そう、とか
いろいろ考えてたけどお茶がおいしくて飲んでるうちに
あっという間に無くなった。

今年もう出ないなら来年の7月になったら目を皿のようにして
探すことになるんだろう。
「いつでもある」ではない季節のものは惜しい気持ちもあるが
その分楽しめる事でもある。また来年。今度はお店に注文できるか
聞いてみようかな。

150719_093.jpg
ぱっと見「誰だポットにニラ入れたの」と言われそうだけどレモングラスです

レモングラスを買って10日かそこらの7月下旬、
スーパーではもう西郷どんののぼりと新米が並んでいた。
産地がドコなのか聞くまでもない。
この前桃の盛りだと思ったのにもう新米か…
でももう梨も出始めたしねー

東京のスーパーでも8月になると九州の新米が入荷して
この暑い盛りに精米してすぐ食味が落ちるのではと
心配するくらいだったが7月に出るとは。

150728_.jpg

もうちょっとすると秋ですぜ秋、と主張する作物がどかどか
並ぶのだろうが、鮮烈かつ爽やかな夏の味を
7月末になって梅雨明けしたことだし(なんと東北南部より遅かった)
これから本格的に楽しんでいたい今日この頃。
新米に鮭という秋メニューは、個人的には当分先だ。

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

プロフィール

くろけろ

Author:くろけろ
ケロをこよなく愛する玉川上水ほとりの住人です。
庭をヒキガエル様の根城にしていただきたいけど
目下果たせず。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード