玉川上水沿いのジャングルからの徒然なひとりごと

振り幅の激しい人達

2017-03-13 Mon 14:50

団塊の世代とマンガ好き(ややマニアック系の)には名を知られた漫画雑誌「ガロ」。
コミックという言い方より漫画と言うのが似合う濃い雑誌で
それの出版元が青林堂だった。

もともと白土三平が創刊に関わり、水木しげる、つげ義春
林静一という有名どころも作品を描いている。
そして少し世代が変わると丸尾末広、蛭子能収、みうらじゅん、根本敬といった
作家が知られ、「孤独のグルメ」の原作久住昌之も漫画を描いていた。
内田春菊や、90年代には、ねこぢるの作品を目にした人もいるのではと思う。
丸尾末広の美的にエログロな単行本に出会ったのがきっかけで、高校〜浪人という、
いろいろと不安定で多感な時期にそういうサブカルでアングラな世界を
知ることになってしまった。
それまでたまに目にしていたチャンピオン、マーガレットとは別物の世界だった。
白泉社の作品とは少しだけ被る所があったが。(←ただし昔の、森川久美や魔夜峰央の頃です)

学生になってガロをたまに読むと
到底一般受けはしそうにないストーリーや表現、読むと胸焼けがしそうな
とにかく怒濤のように溢れるエネルギーに気圧された。
ペン先が1話で潰れるのではと思える黒々とした筆圧高そうな描きこみ、
綺麗に画を描いたり、正義が主人公というのとは縁の無い世界があった。
(いや繊細な綺麗な画の作品ももちろんありましたが)

稿料が0円で、編集部へ行っても茶は出ないという話はさもありなんと思えた。
流行に乗るとか売れるといった商業誌とは設立の目的が違うのだから、
そういうものなんだろうが、収められてる漫画の数々に好き嫌いが出そうな、
いい意味で、タブーの無い同人誌という印象だった。
雅子妃のご成婚の頃の頃、天皇家に関して描いた小林よしのりの「ゴー宣」が
SPA!ではいろいろひっかかるとかで(そんな内容でもなかったが)
その1話だけ、ガロに掲載されたのも記憶している。
そういう、自由がここにはあった、筈だった。

161204_1.jpg
スヌーピーショップで見かけた、コーヒー等の上に乗せて食べられるシート。
牛乳の皮が苦手な人にはお勧めしないが、すごくよくできてる。
ラテアートからヒント得たのかもしれないけど、誰が考えたんだろこんなの。


それがどうしてこうなった。

今やすっかりヘイト本の出版社。
最近では千葉麗子やはすみとしこの本を出版して話題だが、
自分もはすみとしこ氏の難民写真トレスの件で、青林堂の変化を
初めて知ったのだった。
昔からの青林堂が分裂し、青林工藝舎が出来た経緯というのは
実は仕事で今の青林堂の社長と話をしている時に聞いたことがあった。
まさに青林工藝舎の「アックス」を読んでいた時の話だ。

その後花輪和一の「刑務所の中」はじめ何冊か買った単行本は、今思えば
青林堂ではなく青林工藝舎が出版元になっている。
もうずっと、ガロを読んでいなかったし、青林堂の単行本に縁が無かったから
変化に気付かなかった。

今の青林堂の社長は、ヘイト本は売れるから出している、というような事を
言っていたようだが、では彼に思想的な主張は無く経営のため仕方無くなのかというと、
ガールズパンツァーなどのミリタリー系萌え系が好きらしく、
彼のほんとの信条がよくワカランというのが正直なところだ。
仕事で何度か会って話した印象では(当時は別の会社だった)
私とは違うところに反応する人だ、ということと、
ナゾのベクトルのある人だなあということだった。
そのベクトルがそっちに行ってしまったのかどうか、当時の仕事で
(なぜこのキャラクターをこういう営業展開に…?)と感じていた違和感は、
そうでないものを順序を考えずメジャーに乗せようとするという乱暴さだった。
そしてそれが今こんな形になった事がなんとなく一致する気がする。

左翼との決別を本にした千葉麗子氏の主張を最近読んだが、
この人もよく分からん事にいきなり反応してしまう人のように感じた。
0か100か、という印象で、この人は信じていた事に
「裏切られた」と感じるとそれまでの事をマチガイと言い切り、
全否定に簡単に転じる傾向があるのではないか、と思う。
こういう傾向のある人に過去何度か会って来たが、根拠もなく信じ込み、
かと思うと妙な所で頑固で、思い込みの激しい人という共通点があった。

161229_10.jpg
細かい丸C表記までよくできてるよなーほんと。

過ぎた左翼は右翼と変わらんと自分は思うし、今の日本でホントに
国土の事を思っている右翼がいるのかどうか知らない。
(同様に、「パヨク」と言われてる人達も、ホントの左翼なのか知らない。
だいたい右翼左翼と今のこの国で言う事が無意味だ)
実はホントの右翼も居るんだろうけど、「声の大きな」一部のおかしなエセの人達が
目立ってしまってるんだろう、きっと。
本物の右翼なら福島を汚してしまった原発と、根拠の無い再稼働を推進する
現政権には反対の立場をとるだろうし、退園した親にまでののしりを続ける
森友学園を愛国とは認めないだろう。
愛国と右翼とヘイトが変な形でごっちゃになってしまってる気がする。
愛国なら許される、と他の国を「口撃」するのは、彼等が忌み嫌う一部の
国の人達のやってる事と同じだと思うんだが…

国を愛することは国のあり方を全肯定することとイコールではないし、
政治の誤りは誤りと認めないといけない。
他の国へ旅行などで短期間行くだけでも、日本に生まれてよかったと
感じる事は、沢山ある。
清潔さ、宗教的寛容さ、技術力の高さに先進国でトップクラスの安全性も、
そこに住む人間が守り作って来たものだが、それを殊更に強調し
他国と比べようとする動きは、むしろ国の衰退にしか見えない。
誇るのは自由だが、それに乗じて他国を卑下することにつなげようとするのは
いやしい。
自国を愛する事は政治家に強制される事では無いし、日本会議が理想とする
サザエさん一家の姿を皆が再現出来るわけでもない。

話題となっている森友学園絡みでは、あの幼稚園にテキストを納品していたのが
福岡和白にある鈴蘭会という、首相夫人が始めた団体で、なんで東京にいる夫人の
関連団体が福岡に?と思ったら、そもそも夫人がそのテキストに関係したのは
和白から近い福岡の宗像にある某施設で「素読」テキストを使っている姿を見て
「感銘を受けたから」だったそうだ。
まったく、この人はとんだトンピンだ。何にでも簡単に感銘を受け過ぎる。
柔軟な頭のくせに割とじいちゃんばあちゃんの言う事素直に信じちゃう10代の孫と
同等のテンションの様に見えるんだが。
ご本人は、お酒を飲んでいろんな立場の人達と隔て無く話せる時の自分が好き、と
言っていたらしいが、首相夫人という立場の相手にどんな相手も正直に話してくれてると信じる
このお嬢さん的発想もアレだし、お酒飲まない冷静な頭の時にちゃんと話して欲しい。

感動して行動するそのパワーはある意味すごいけれど、
「感銘」するそのベクトルが、なんかやっぱり、違うんじゃないか…
と、森友学園問題や青林堂の最近のパワハラ問題と類似を感じる次第。
皆同じ考えではないから何に感銘して何を主張しても自由だが、
国家を時代錯誤的に崇め奉り、国に忠誠を誓わせる事に感銘するのは
他国にまで肉親を暗殺させにいく、某国と何が違うのか。

最後に、今の青林堂への漫画家しりあがり寿氏のツイートを引用。

「青林堂はもうあの頃の「ガロ」の会社じゃないよ。ガロを継いでるのはアックスの青林工藝舎。
右とか左とか騒がしいけど、青林工藝舎の人達は昔っからただ世の中からこぼれてるものの味方だよ。」


さよなら、青林堂。


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今度は青いヒヤシンス

2017-03-01 Wed 16:23

ニヤニヤしながら待っていた青いヒヤシンスが、白花の次に開花した。
青花だけではなく、ブログ記事を書いた後よく見たら、
白花の茎の下の方にもう1つのつぼみの塊があるのを発見。

170204_13.jpg
2/4の白花の下につぼみが。な、なんだってー!

ヒヤシンスはその花房の重さで茎が垂れてしまうことがあるので
特に軽いペットボトルで水耕栽培してる場合は、複数の茎が出ない
「ダッチ系」を選ぶべし、とあったのでそれを選んだつもりだったが、
ダッチ系でも条件が良ければ何個か咲くらしい。

…というわけで2回目の白花と、青花の開花のどちらが早いか
とこれまたニヤニヤしながら待っていた。

170209_13.jpg
2/9には青花のつぼみがだいぶ出て来た。

170210_14.jpg
翌日にはそれとなく青色も見えて来たし房がばらけ始めた。

青花は白花の一回目に比べて茎がそれほど伸びず、
つぼみが葉に邪魔されてちゃんと花開くことができるんだろうか?と
なんとなく心配になったが、2回目の白花も同様で、
葉に埋もれるような状態でつぼみの色が既に白く変わって来ている。

170211_10jpg.jpg
2/11開花スタート。下の方、葉に邪魔されてないか…

170212_12.jpg
2/12、りんどうみたいな青花の向こう、白花がだいぶ頑張って見えて来た。

でも実際に開花する頃にはなんとかなるようで、
このままだと開けないのでは…と思っていた
下の方のつぼみも、ちゃんと開いていた。

170213_09.jpg
2/13の朝見た時よりも
170213_151.jpg
午後見たら花が反り返り始め、ヒヤシンスらしく。

面白いのは香りの違いで、白花はユリの香水のような甘さがあったが
青花は同じく強めの香りではあるけれど、
よく言えばスパイシーな、ぶっちゃけ土臭さがプラスされた香りだった。
香りだけでいえば、白花の方が好まれるんじゃないかと思う。
考えたら香りがいい花は白花が多い気が。
例えばジャスミン、スイカズラ、ユリにクサギ、クチナシ、柑橘の花など
改良品種じゃなくて野性のものは特に。
何が作用するのか…黄色やピンク、紫に水色と様々な色のあるこの花は
色毎にまた違うのかもしれないと思うと、他の色も育ててみたくなるが
ローマンとかダッチとかの品種によってもきっと違うんだろう。

170213_1508.jpg
上から見ると花の配列の規則性に神様の数学的センスを感じる

とはいえ青い花には個人的にとても惹かれるものがあり、
今回ヒヤシンス栽培を思い立った時に青花の球根がなければやめようと
思ったくらい見たかった色。
青というより紫が強いけれど、花の中の青と紫のグラデーションは
見ていて飽きない。そしてなんとも綺麗で迫力がある。
カタマリになるから、色が濃いと迫力が出るのかなあ…
来年は水色にしてみようかなあ

白花は2回目で球根の養分が減っているためか
最初の花より小ぶりだが、香りは変わらずいい。
いつまでも見ていたい花だがだんだんと萎んで来て、
白花などもともと軽くなってきていた球根がさらに萎んで
ペットボトルの受けの穴から落ちそうになって来た。
(ティッシュを詰めてるのはそのせいです)
170216_11.jpg
2/16に青花全部開花。白と並ぶと色がなんか力強い。

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2/22には青花は残り2個に。

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2/23。青花はとうとう最後の1個。白花の球根、もうシワシワです。お疲れ。

今冬の福岡は暖かかったし、南側の日当りのいい場所に置いていたからか、
咲いてしまうとその後が早かったように感じる。
(とはいえ白花が開花を始めたのが2/1、2度咲いて1ヶ月近く花を楽しめた)
ヨーロッパの寒い国で冬場室内での楽しみに球根栽培があるのが
わかる気がする。
もう少し気温が低ければ、開花の後も、もう少し長く楽しめるのに違いない。

今冬の福岡は暖かかったから、球根の水栽培は10月〜というが11月下旬から始めた。
ここは10月にも熱中症になるくらいだから、球根を水に浸ける時暖かいと
ありがちな失敗「腐敗」が起こりそうだ。
水に浸けてから花の終わりまで丁度3ヶ月だったが、花を長持ちさせるのに
適した温度低めの環境は、花を見ていたいと思うとなかなか置き場所が
ジレンマだ。
暖かい福岡の気密性のいいマンション南向きリビングでは、
ヒヤシンスの花にとって暖か過ぎるのではないだろうか。
北側に置けばもう少し花が長持ちしたかも。でも置ける場所が無い…

170226_11.jpg
2/25には諸行無常の姿に。でも、途中でペットボトルからアスパラガスの空き瓶と、
100均のデカンタにしたんだけど、デカンタ形状的におすすめです。


水耕栽培は白い根を見るのが面白いが、土からの養分が無いだけ
球根はエネルギーを使い果たし、基本翌年も咲く事は無いらしい。
運が良ければ咲くかもしれないが、そのためには花が終わった後
球根を土に植え、葉が枯れた後掘り戻して保管するのだそうだ。
酷使するのは申し訳ないが、かといってハイサヨナラで
終えてしまうのもしのびない。

なので花は萎み始めると早めに切り取り、球根に負担がかからないようにし
最後の花が終わったらベランダの鉢に植えた。
もう花が無いからといって茎を切ると、菌が入って腐る原因になるのだそうだ。
花を摘む時もシュウ酸で肌が荒れる事もあるとかで、(大丈夫だったけど)
簡単と言われるヒヤシンスも開花後は後でそれなりにやることがある。

これでちゃんと養分を吸って多少なりとも復活してくれればいいが。
こういう時、ああやっぱり庭があるといいなあと思う。
30センチ近くまで伸びた根っこを切らずに収める鉢は
マンションのベランダに置いてない。

170226_14.jpg
土に植えた時にたっぷり液肥と水をやる、とある。水耕栽培中も球根の疲労軽減に
液肥をまめにやるといいとこの時知ったが後の祭り。


梅雨の頃、腐敗せず無事球根を掘り上げる迄に
至るかどうかはわからないが、
来年、あるいはその次のニヤニヤを期待して
ヒソカにニヤニヤすることにする。



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