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くろけろ

くろけろ

津屋崎というのは、福岡県の北部、
玄海に面したまさに海辺の町で、子供の頃夏休みに
泳ぎに行くといえば、ここの…
なぜかプール。だった。

そのプールは今もあるが、道一本隔てて向かいはきれいな海!
もちろん、海水浴場である。
なぜ、父親はそっちには連れて行ってくれなかったのか?
まあ、そのプールで溺れるような自分だ、(当時)
海はムリだっただろうけど…

…というのはおいといて、そういうわけで個人的に
なつかしい響きのある場所なのだ。
で、帰省中は近いこともあって、友人の車で
2回、ここに連れて行ってもらった。

津屋崎土人形という伝統的な人形制作をしている工房が
あり、この場所で7月に行われる山笠祭り用にも
ここの人形が使われているらしい。→ココをクリック。

型押しして作る素地を合わせて成形し、(なので中は空洞)
それを素焼きして上から色をつけてある。
陶磁器と違って素焼きのあと本焼き、ではないので
割れ易いが、そのためか素朴な味わいがある。

前々から気になっていたので、帰省中に工房に行く。
しかしタイミング悪し、丁度山笠が終わったばかりで、
工房がそれにかかりきり、その日買って帰れるものが
無かった。

全く気付かなかったが「ブルータス」に紹介されたことも
手伝って、注文も重なっているらしい。
でも数日で出来るというお話だったので、注文して
翌々日に取りに行った。

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干支人形やおはじき、それにもっと大きな
武者人形のようなものもあるが、このフクロウの
マッコウクジラのようなでこっぱち具合が
なんとも言えない。

これはモマ笛。モマとは津屋崎の方言でフクロウだという。
紹介文によると、お年寄りが食べ物を詰まらせないように
この笛を度々吹いたりして食事した…とあるが。
想像するに不思議な光景だ。

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吹くところは素焼きなので口びるにひっつかないよう注意が必要です。

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まるで松ぼっくり。

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かわゆすぎる。
こうやって自立できるとはっ!!

津屋崎は、自分にとってとある本をすぐ思い起こさせる。
その本は、
「馬の骨放浪記」~大正生まれの孤児が辿った人生ノート~
(山田勝三著・一光社発行・1978年刊)という、もう30年以上前の本だ。

学生の時、民俗学だったかの教授が、
リヤカーで本を売っている人(多分著者本人だったのだろう)
とたまたま会い、「試しに読んだら面白かったので
近くの本屋で買えるようにしておいた、
興味がある人は買いなさい。」と、一部分を読んで下さった。
それがとっても面白く、買いに行ったのだった。

すっかりぼろぼろになったが、今でも大切にとってある。

物心ついた時には駅にいる浮浪児だった人が、
(だから出生年も推定)辛酸をなめ育った後ビルマへ出征、
その後せっかく得た家族とも別れ、困窮の中
戦後40過ぎになって一念発起して学校へ行き
文字を習い、書いた自伝だ。

それと津屋崎が何か、というとこの人が子供の頃
船員に頼まれ仲間と大陸に渡った後、日本人に連れられ
朝鮮を経由して日本に帰り、そこで子守り奉公に
出されるのだが、その奉公先が津屋崎なのだ。

朝鮮帰りの孤児ということで、
とにかくひどい扱いを受ける。

この人が特別だったのではないだろう。
名字の種類が少ない、地形的にも他と離れた様な田舎で、
よそ者の孤児として暮らして行くには
どこでも当時はこのようなことがあったのかもしれない。

でも、情景描写があまりにも生き生きとしていて、
すべて本音で書かれていて、
読みものとして第三者が読んだ時に面白いだけに、
そして、その地域を全く知らないわけではないだけに
ちくちくと来るのだ。

学生の頃は、読み物として面白い、と思っていた。
でも、今読み返すと、家族との別れや
他者の集団組織に受入れてもらおうと奮闘する部分など、
とても考えさせられる。

この頃と何が変わったのだろう?と思えて仕方ない。

あっ、なんかしょっぱい終わり方ですね。
ご興味のある方は古本で…。あればいいけどなー。

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最終更新日-0001-11-30
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