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くろけろ

くろけろ

北九州に皿倉山という、そこいらではぽっかり高い山がある。
そのため各テレビ局のアンテナがこの頂上には立てられている。

もう30年以上前に行ったきりだったが、行ってみた。

JR鹿児島線の八幡(やはた)駅で降りると、いきなり
駅前の広い道路にフェニックスが生え、その向こうには
正面にどかんと皿倉山というロケーション。
この通り沿いにはソテツやヤシ類の仲間が植えてあり、
これを見ると「ザ・九州」な眺め。
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しかもこの駅前道路、「国際通り」とある。
標識とフェニックスを撮ったら那覇と言っても通じそうだ。

山へ行くにはケーブルカーに乗るが、その乗り口までは
歩いていく事にする。

博多、天神を含むいわゆる「福岡」にも山はないわけではないが
山が多いのは北九州地域のほうで、そういう部分も入れると
人口あたりの緑地は北九州のほうが多いらしい。
工場地帯のイメージが多いので意外な気がするが。

実際、電車からの眺めも北九州のほうがはるかに線路に近い辺りまで
山があるし、そんな傾斜地にはりつくように
家が建てられている。

この八幡駅からも歩く道はどこもスロープになっていて、
山に近づくと階段がそこここにあり、曲がりくねった道に
路地のある古い木造家屋とあいまって、
長崎のように情緒がある…
でも、八幡地域は高齢化が大変進んでいるそうで、
お年寄りには上り下りがちと大変そう。今は皆車だろうけど。

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これは…風呂の焚き口の跡っぽい。
ちなみに北九州の親戚のお風呂は石炭炊いてた。

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「皇紀2600年」の記念碑が駅前通り沿いの駐車場脇に。
昭和16年に建てられたものとある。
戦後この手のものは撤去された筈がこんな目立つ場所に。
八幡は進駐軍のアウト・オブ・眼中だったのか?


駅前通りをまっすぐ行くと、彫刻のある、
ロータリー状になった場所に出るが
そこは第二次大戦中に避難壕が爆撃を受け、
多数の死人が出た場所という話だ。
当時その壕に入ろうとして「もういっぱいだ」と言われ、
入れなかったため生き残った女性が、親の知り合いにいると聞いた。
(この付近に何かの表示がされているのかもしれないが
この時はそういう碑等には気づかなかった。)

この2枚だけでおわかりのように、時が止まったかのような
眺めが楽しめる坂道を上っていくと、次第に山っぽくなってくる。
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ユースホステルって懐かしい響きだ。受験の時利用した…

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自販機コーナーがあったが、機械の上はネコの特等席になってた。
ほんとは右端にもう一匹。


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ぬこに一瞬癒されて表に出ると、自販機コーナーがこんな迫力の建物だったことに気づいた。
なにが激安売りしているのか?というよりやっているのか?


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坂の上から、ちらりと眼下の景色が見えます。


ケーブルカー乗り口に到着、皿倉山頂上へはそのあと
スロープカーに乗り換える。乗っている時間はあっという間。
スロープカーは3年前に今の車の様な乗り物になったらしいが
それまではスキー場にあるリフト、アレだった。
転落してもOKなように網が張ってあったが、
高所恐怖症だという事を思い出し、リフトでなくて
ほんとよかった…

で、柵らしい柵のない頂上の傾斜地に座り、パンを食べつつ
北側の洞海湾を見る。黄砂が少し飛んでいるようで、
海の向こうの小島や陸地は霞んでいるが、それはもう山口県。

それにしてもこの頂上の芝生、結構な坂だけど、
転ぶと洞海湾まで行けるんじゃないかと
冗談で言っていたら、水筒をころころ転がしてしまい
慌てて追いかけてる人がいた。
ここで昼食をとる方は気をつけましょう。

さて、今日の目的は河内貯水場に行き、桜を見る事なので
帰りは駅とは反対側に徒歩で降りていくことに。

それはいいが、「私らも河内方面に行きますけん」と
言っていた地元のおじさん達に「こっち」と教わって先に歩いたら、
途中で変な道に入ってしまい…
気付けば、下っている筈がまたゆるやかに登っている。
なぜか頂上より少し下を2キロくらいぐるっと一周するはめになってしまった。
とんだ時間と体力のロスだ。

再び分岐点に戻り、今度こそと河内貯水場への道を行く。

しかし。こんな標識や↓(餌やりって…)
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時々薮から山犬のような、威嚇する獣の様な声が複数聞こえて来て
80近い心臓病を患った老親と一緒に山道を歩いている事が
だんだんと不安になっていく。

イノシシは、実家近所にも出没して
ハンターが何匹も撃った死骸が文字通り家の前に置かれた事がある。
最近だって「犬かと思ったらイノシシだった」という話が
あるので、冗談ではないのだ。

なにしろ、舗装道路から山道になり、砂防ダム脇の傾斜道を
下って行く、だんだんと険しくなる道で一回も人と
すれ違わないのだ。
そのうち、土が崩れて木が何本も倒れて道をふさいでいるような
そんな道になってきた。

こんなところで、親に心の臓の発作でも起こされたら…
イノシシが突進してきたら…
更に都合の悪い事に、携帯の電池が切れかかっている。
何かの事態が起こったら、まずどこに連絡すべきか。
えーと、えーと…
密かに惑う間も、気味の悪い何かの声が薮からまた追いかけてくる。
(カラスの特殊な鳴き方だったのかも。でも、ほんとに
猿や犬のような声にしか聞こえない。謎。)

それに、「河内貯水場までおりれば、そこからバスがある」
と親は言うが、イナカの終バスは早い。
今山の中で3時過ぎ。なんとなく嫌な時間帯だ。

団地内のあの用済みになったバス停がフラッシュバック。
辿り着いた後、ほんとにバスあるんかいな…

と思っていると、何かの建物が見えてきた。
山の麓の工務店で、そこにかかる橋に住所標識が。
人の住む場所にやっと来たと思ったら、同時に登ってくる人に
会った。ほ。

そこからはもうすぐに目の前がバス通り。目指す貯水場に出た。

しかし、なぜこの貯水場に行きたいと思ったかというと、
建物が古い石造りで、なんともいい感じの写真を見たからだ。
製鉄所のための、一企業のための貯水場だというので
勝手に山裾にある、小さくぽつねんとある、
隠れた名所のようなものかと思っていた。

そしたら、実際到着すると、すぐバス通りに面した、
梅ヶ枝餅などの屋台が出る駐車場もある、広い広い場所だった。
これが企業用ってすごすぎる。
いかに当時、製鉄が北九州の地場産業として
力があったのかつくづく思った。

写真で見て、こりゃ見たいと思っていたのは、監視所だ。
それは、駐車場から階段で登ったところにあったが
残念ながら扉と柵で囲いがされ、そこから近づく事が出来なかった。
あえて不揃いな丸い石を外壁に使っているのが面白い。
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塔のようなこの建物、上が本当に中世ヨーロッパのお城みたく
凸凹になっている。メルヘン。


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「遠想」とあります。いたらん事するバカがいるからかもしれないが、
こんなかっこいい建物、もっと近くに寄って見たい。


こんなかっこいい建物なのに、駐車場に近すぎて
却って目立たないのか、階段登ってこれを見に来る人は
殆どいなかった。もったいない。

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で、目立つのはこの貯水場の堰堤。↑取水塔はこれまた中世のお城チック。
この堰堤を歩いていく途中、水をたたえた貯水池とは
反対側に目をやると、何やらこれまた古い、いい建物が。↓
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よく見ると、これにもさっきの監視所同様、入り口上に
看板のようなものが掛けられています。


弁室らしい。そこまで行きたいけど、降りられない。
残念…どこかから行けないのかな…と思って見渡していたら、
我に返ってしまったのか高所恐怖症の目覚めが。

堰堤だけあって、それなりに高い。
そして、今ちょうど真ん中にいる。ぶるぶる。
急に怖くなり、反対側に渡るのをストップ。
両端を見ずにひたすら前を見て、ずんずん戻った。

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せっかく取水塔の所まで来て、急にこわくなった。
この建物にも、屋号のような表示があるように見えます…
沼田氏は、相当な凝り性だったに違いない。

この河内貯水池は、8年かけて昭和2年に完成したらしい。
高所恐怖症でない方は、これの上流にある眼鏡橋の
南河内橋や、これらメルヘンな建物を造った立役者、
沼田尚徳氏の英文の碑文など、他にも見所があるのでぜひどうぞ。

さて、ここから八幡駅まではバスで20分かそこらだった。
車で行き帰りすればなんてことないコースだが
歩けば(しかも道に迷えば)ちょっぴり汗をかく。
頂上から河内貯水池までは山道下りを1時間弱だが、
くれぐれもイノシシにはご注意を。
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最終更新日-0001-11-30
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