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くろけろ

くろけろ

西武拝島線の西武立川という、夜うっかり寝過ごして
ここに来るとかなり寂しい気持ちになる駅がある。

夏はまだ虫の声が風流だなとか思えるが
冬寝過ごしてこの駅で降りた時にはそりゃもう寂しく、
数駅戻って自分の家の最寄り駅に着いた時には
ああなんて人がいっぱいいて賑やかなんだと
助かった気持ちになった程。(数年前の話なので今は
もしかして駅前の開発など進んでいるのかもしれませんが)

そんな駅から中途半端に15分ちょっと歩くか、
あるいは車で行くか、の場所にゼルコバというベーカリーがある。

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店名のとおり、ケヤキが看板みたいなもの。
もっともこのあたりはケヤキだらけですよ


パン好きで多摩エリアにいる方ならばきっとご存知かと思うお店で
サイトもセンスがよくて、行けばくつろげる事間違い無しの
佇まいのお店。

ここに初めて行ったのは10年近く前なんじゃないかと思うが
古くからこの地で農業をされている方が、子育てを終える頃に
何かやりたい、と石窯パンを作り始めたのが、始まりだったとか。
だから畑で取れた野菜が使われているパンもあるし、
工房と一体になった店舗は大正時代に建てられた養蚕小屋。

この辺りには、もう使われなくなって久しい養蚕小屋が
探すと結構残っている。高い所にも窓があって独特の造り。
住んでいる方が高齢化して、ある日壊され建て替えられると
もうそれまでの記憶は無くなってしまうが、
こうやって古いものに手を加えて使われていくのは
お客としてもほっとする空間になっていて嬉しい。
もっとも、古いものは手入れが必要で簡単な事ではないのだろうが。

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ここのパンは密度があるというのか、噛めば噛むほど
味の出るパンで、お腹にたまる。
店内で買ったパンを、お店のカフェスペースで食べて行く事も
出来るのだが、ここで売っているドリンクもまた
ホントにリンゴの味がしっかりするジュースやお米から作った
ドリンクなど、普段ジャンクなものを食べている人には
目の覚めるようなものが置いてある。

薄暗い養蚕小屋にもうけられた窓の位置やサイズも
これまたすごく考えられている気がする。

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窓からお店の入り口方向を見る。

ここが東京?という反応はおそらく沢山の人が
感じる事なんだろうと思うが、元々、この辺りの環境を
保って昔から暮らしている人達にとってはごく当たり前の
環境で、多摩地域はそれだけの田舎なのだ。

20年ちょっと前にこの辺りに来た時には、こういう場所は
他にも沢山あったのだがどんどん住宅開発されて
どこにでもある郊外型店舗が出来、景観が変わって行った。
そして農業をやる人も減って行って、住宅の側に残る畑は
今や土が飛ぶ、堆肥が臭う、虫が来ると新住民に文句を
言われる立場になっている。

このゼルコバは、お店をやっている人が比較的若く
センスもあって、週末行くとお昼過ぎにはもうパンが無いほどの
人気だが、自分の故郷の田舎のほうだと、恵まれた自然環境に
なれっこになっているのか、それを活かすよりむしろ
残念な方向になっている店舗をよく見かける。

決して演出とか、マーケティングということではなく
持ち合わせたセンスと、誠実さがこのゼルコバの雰囲気を
作っているのだろうと思うが、
それは多分、生活に根ざした、無理のない部分がお店にもそのまま
出ているからではないかと勝手に感じる。

この地域ならではの自然と生活が一体になった心地よさを
ずっと保っていて欲しいそんなお店だ。

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これは、チェーン店では出せないものだと思う。
今は小売りはどこも厳しいと聞くが、
右肩上がりが当然ではなくなったのなら、こういう、
環境もひっくるめた、地域密着型店舗というのが
この先重宝がられるのではないかと
思うのだけど、どうなんでしょう?
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最終更新日-0001-11-30
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