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くろけろ

くろけろ

火曜日の朝、朝食をとっていたら
開け放したベランダの窓の外から
ここら辺の放送が聞こえて来た。

エコーしててイマイチ聞き取りにくいが
「黙祷」という言葉が聞こえた。
広島に原爆が落とされた日に
ここでは黙祷をしているのだと気付いた。
その時刻にサイレンを鳴らすという事前放送のようだ。

前にも書いたが、自分が小学生の頃は何回かある夏休み中の出校日の
中には、8/6が割り当てられていた、と記憶している。
その日は過去の戦争について色々な資料を生徒が持ち寄ったりして
学習が行われていたが、先生が配ったプリントには長崎の
「一本足の鳥居」の話があった。
なにせ8/9の第一投下目標は北九州の小倉だったのだから、
そこには命拾いしたという気持ちと複雑な思いがある。
(予定通り投下されていたらおそらく自分は今ここにいない)

祖母が広島出身なので、顔も知らない縁戚には
広島の原爆の影響で亡くなった人もいるらしい。
「らしい」というのは、母から聞いた話であって、
自分が生まれるとうの昔の話で顔も知らない縁戚だからだが、
これも母から聞かなければ、そういう縁戚がいた、という事実すら
知らずにいたところだ。
こうやって、事実は記憶となり、記憶もやがては風化していく。

そうやって消え去らないように後世に伝えて行くのが
家庭や教育機関での教育ということなんだろうが、
当事者というのは、自分の体験や記憶が辛い事ほど
人に話したくないということもあり、そうしているうちに生の声というのが
どんどん消え去って行く。

怖いのは、事実がすり替えられて、誰かの都合のいいように
捏造、歪曲されて後世に伝えられる事だ。
その誰か、が政治的な意図を持ったものであると、
ますます話はややこしくなっていく。

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近所の松と夾竹桃。夏真っ盛り。

今、オリバー・ストーン監督が来日し、広島から長崎、沖縄へ
お盆の間回っていく予定らしい。
彼はアメリカ人でありながら、母国の原爆投下への正当性を
主張する教育に、真っ向から疑問を呈している。
アメリカは自由の国と言いながらここらへんはかなり頑なだから
オリバーストーンが痴漢容疑や交通事故で抹殺されないか
密かに心配している。

日本は侵略戦争をしていないと主張する人達もいる。
あれは必然的な戦争だったとか、そういう事を言いたそうな人もいる。
確かに、勝てば官軍、戦勝国が主張する事が正しいとなる事に自分も異論は
山ほどあるが、国が戦争をする時には末端の戦闘員は
どんな非道な事をしても罪にならないというのが実際で
そこに差別感情が入ると、理性の欠片も無い殺戮が生まれる。
いかに人道性を後から訴えても、人を攻撃する事で片をつけようとする
戦争という手段を国がとってしまったのだから当然だ。
「普通の」10代が数人集まって女子高生をコンクリ詰めにする犯罪を起こすのだから
いろんな経歴の大人が国から「戦争だからあいつらやっつけてこい」と言われれば…
考えるだけでも恐ろしい。

戦争当時の日本が行った民間人への虐殺、犯罪は
戦争を知らない私らの世代がいつまでもひきずらなくても済むように
当時の当事者が、もっとまともに片をつけておく事だったのではないかと思うが
そこにはそれぞれの国の立場で、やはり戦争を知らない世代への教育が、
当然自国へ都合のいいように行われているからというのもある。
そうなる事は予想された筈だ。負けた国なのだから。

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ここらへんはポツポツと蓮池があってトンボがついっと水の上を滑るように飛んでます。

一方で、ホロコーストという言葉はもともとユダヤの神事の
神前に焼いた獣を供えるという意味が転じて火での大虐殺を意味するようになった、と聞く。
であれば、原爆投下、東京大空襲、ドレスデンの大空襲などといった民間人への
火器による無差別大量殺戮こそ「ホロコースト」
といわれなければおかしいんじゃないのか。

原爆被害に他国から言われる「因果応報」という言葉。
しかしそれを言う立場にある人こそ、いつでも自分が
他人から同じ言葉を言われる可能性がある、という事に
気付かなければいけない。

いつでも、被害に遭う可能性と、加害者になる可能性の両方が、
誰にでもあるということを念頭におかなければ、
人種が、宗教が、民族が違う人間であれば、自分でない他人ならば、
命は軽んじてもいい、自分のほうが正しい、という
永遠の無理解のループから脱却できない。

他者を差別・攻撃しても得られるものは無い。
しかしこういう理性は殆どの人が持っている筈。
(自分が生きたいのなら他者もそうだから他者を攻撃するのはオカシイ)
結局、一握りの人達が動かしている政治がおかしな方向に行った時、
大勢の理性は同様におかしな論理に組み込まれて行ってしまう。

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桜の木にクマゼミが4匹。ワシワシワシ…

フクイチの汚染水が危機的状況にあることが
包み隠せなくなった今でも、原発を他国に営業し、
再稼働する、平和憲法も変えたいという首相が率いている(らしい)
国を、長崎市長は平和宣言で「(核兵器の非人道性を訴える共同声明に
賛同しなかったのは)被爆国としての原点に反する」と強く批判した。

アメリカ様への遠慮があるにしても、戦争で核を使われ
被爆した国である日本が、「核兵器は残虐非道だ」と言うことに、
何の間違いがあるのか。
日本を取り戻すというなら、核兵器は非人道的だという事実を
何よりも投下した国へ認めさせるよう動くのがスジなんじゃないか。

東京ではこの日黙祷を促すサイレンなど、鳴らない。
2つの地域に爆弾が落とされた日と時間だって知らない人もいるだろう。
世界へ主張するなら、国内での認識も、もっと強めていったほうが
いいのではないだろうか。アメリカと戦争した事を知らない世代も
いるらしいし…

朝から暑い、クマゼミの合唱の中、福岡県福津市では、
8月6日午前8時15分に、30秒間サイレンが、鳴った。


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最終更新日-0001-11-30
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