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2017-08

親のみおくり - 2013.11.11 Mon

母親が息を引き取った。

いつかは誰しも亡くなるものだ。
年齢で順繰りであれば大抵は親の方が子供より先に逝くのだし
病気からして覚悟していた事ではあるが、
人がだんだんと衰えて行くのを見るのはやはり辛い。

一番辛かったのは時折不調を訴える母の声が
もう不明瞭になっていた時、何度も聞き返さなくてはならず
しかもその結果何を言っているのかわからないから
対処のしようがなくて、本人にも負担だったと思える事だ。
あの時、母は何を訴えていたのか、と今も気になる。
苦痛はその後薬で対処できていたと思いたいが、
でもやはり気になる。
意思疎通用のタッチボードみたいなのがあればいいと思った。
寝間着の構造やベッドのあり方とか、実際それが必要になると
もっとこういうのがあればいいのに、と思ったものは
沢山ある。健康な時には考えもつかないが。

自分の事よりも常に人の心配をするたちだった親だが
病状が深刻になり緩和ケア病棟への体験入院をすすめられた時に
はっきりと自分の気持ちを言い、断った。
母が他者にこんなふうに強い言い方をしたのを見たのは初めてだったが
それが本人の希望どおり家で最期をむかえられたことにつながった。

往診のドクター、訪問看護の看護士さん、ヘルパーさんには
大変な仕事を患者や家族を気遣いながらされている姿に
毎度感謝するしかなかった。本当に救いだった。
今は在宅でも、病棟にいるのとそう変わらないレベルの緩和ケアを
受けられるという説明どおりだった。

131108_1433.jpg

こっちに引っ越してからもっと初期の段階で
あちこち連れて行ってやればよかった、
いよいよ衰弱する前にもっと早めに美味しいものを口に入れてやれば
よかった、と後悔はある。
きっとどうやっても後悔は何がしか出て来ると思う。

息を引き取って通夜、葬儀、初七日と葬儀会社の手配は
実に無駄が無くスピーディーで、日本人すごいと思った。
きっとヘタに時間があると悲しんでばかりになるから
このシステマチックな流れはある意味遺族は助かっている部分が
あるんだろう。
会場でお坊さんがきらめく衣装を着てお経を読んだり
司会の方が厳粛に式次第の説明をしている時には、
「システム」という言葉が浮かび悲しいという感情は消し飛ぶ。
多分自分が不信心な不心得者だからなんだと思うが。

131031.jpg

問題はこの先家へ行く度、つい数日前にはいた親が
「もういない」という事を
ふとした時に実感するその喪失感だ。

様子を見に行っていた時に駅前の楠が沢山の実をつけていた。
鼻が利く母にはこの実の香りは気分転換になるかもしれない、と思い
実を1つ摘んで上着のポケットに入れた。
そしてその日はそのまま忘れてしまった。

いいや、次にまたすぐ来るから、と思って実際すぐ翌日行ったのだが
その時もまた忘れてしまった。

葬儀も終わり、家に残していたその上着を持ち帰り
自分の住処に持って帰ったら、カーペットの上に黒っぽく縮んだ楠の実が
枯れた茎と分かれて転がった。摘んだ日から5日目だった。

こういう時の感情のやり場を、私は知らない。
しかし思ったのは、自分の人生には自分で責任を持つことが大事だということだ。

131108_13.jpg
やっとケヤキもそれらしく紅葉してきました。


その人の人生がどうだったこうだったと他者が言うのは意味の無い事だ。
ずっと充実した人生だったのが死に際だけ「不幸な亡くなり方」だったら
その人が不幸だったのかというとそうではないだろうしその反対もあるだろう。
乱暴な言い方だが葬儀は遺族の気が済むからやる手続きでしかないと思えた。
(あくまで自分1人の感想です)
でも、だからといってどうでもいいということではない。
「骨は庭にまいてくれ」とかねてからシンプル志向を語っていた母なので
お坊さんの読経をどう思って見ていただろうか?と。
「なんでもいい。アンタ達のいいようにやんなさい」と言ってくれそうだけど
そうは言いながらお経より好きなショパンの音楽がよかったんじゃないか?
などと思いながらお経を聞いていた罰当たりな娘。

自分が亡くなった後の事はどうでもいいと言いながら、
いざそうなると、どの着物を着せたらいいか、何を棺に入れようか
時間も無い中で遺族はいろんな判断を迫られる。
ある程度生前本人が指定しておくほうが遺族は迷わなくて済むし
後悔も少なくて済む。

亡くなり方とその後の式その他を本人がどうしたいか、
気が変わる事もあるだろうし、タイミングなど難しいとは思うが
家族と話し合っておくのは大事な事なんじゃないかと思えた。

自分の時には宗教色無しで、フレディの歌流してもらって
ああ、あと写りのいい写真(あるのか…?)を自分でピックアップしておく
もちろんフォトショップで修正しておく事も必須かなあと。
どうせイザという時には忘れてしまうんだろうけど。


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● COMMENT ●

むーみんネット

20日の朝日新聞第二地方版に載ってました。
在宅医療が県内で最も進んでいる例として、宗像医師会のむーみんネット。
宗像市は、実は、恵まれていたのです。

Re: むーみんネット

なるほど。どこでも高齢化が当たり前になっているから
こういう対応の良さは新規に転入して来る人にもアピールできる
大事な要素なのかもしれません。
ところで、「む」は宗像のむ、として「みん」は何でしょう…


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ケロをこよなく愛する玉川上水ほとりの住人です。
庭をヒキガエル様の根城にしていただきたいけど
目下果たせず。

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